Stanley Electric Group- News Release
2021年12月27日
世界初、車載用高出力赤外VCSELの量産出荷を開始
-スタンレー電気株式会社
スタンレー電気株式会社(本社 東京都目黒区中目黒2-9-13、代表取締役社長:平塚 豊)は、車載品質規格AEC-Q102*1に準拠した高出力赤外VCSEL*2(以下本製品)の量産出荷を開始したことをお知らせいたします。
この量産出荷は、当社顧客による赤外VCSELを使用した世界初の車室内センシング機器に納入するものです。
また本製品は、赤外VCSELの世界トップメーカーであるルーメンタム社(NASDAQ:LITE)との技術協力により
製品化を実現していることを、併せてお知らせいたします。
*1 AEC-Q102:車載用電子部品の信頼性規格化団体(Automotive Electronics Council)の定める光半導体デバイス標準規格
*2 VCSEL:ヴィクセル、垂直共振器型面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)の略称
■ ルーメンタム社のコメント
「機能性と安全性の向上のために自動車業界が車内センシングに注目する中、スタンレー電気と提携して
新しい差別化された光ソリューションを提供できることをうれしく思います。スタンレー電気の車載信頼性を
満足するパッケージと、10億個以上の出荷と市場故障ゼロの実績ある当社の革新的な製品を組み合わせることで、次世代の光センシング技術を必要とする様々な顧客に魅力的なソリューションを提供することができます。」
- ルーメンタム社 Jenny Kim 氏(Product Line Manager for 3D Sensing)-
[ルーメンタム社ニュースリリース]
https://www.lumentum.com/en/newsroom/in-the-news?year=2021
■ 市場動向
赤外線を使用したセンサは過去から様々な用途で利用されてきましたが、近年その高性能化が急速に進んでいます。自動車では、ADAS*3 の1つとしてドライバー原因による交通事故防止を目的としたドライバーモニタリングシステム(以降DMS*4)の搭載が増加しており、車室内における乗員の危険を低減する乗員監視機能
(以降OMS*5)も普及が始まり、これらには当社の赤外LEDも多く使われています。今後は自動運転やADASの高度化によって更に高性能なセンシングが必要になり、これまで使われてきた赤外LEDでは実現できない新たな領域が生まれています。
例えば当社の赤外VCSELは、光源デバイスだけでカメラの撮影範囲の隅々にまで均一で高出力な赤外線を照射する事ができます。これにより、ドライバーの視線や表情の些細な変化も読み取り、また車室内のどこに人が居ても見逃すことなく検知する事が可能になります。加えてLEDよりも高速なパルス発光(点灯/消灯を連続して繰り返す駆動方式)が可能であり、この特性を活かしたTOFカメラやLiDARを使って、距離や形状などの3D情報を
センシングする事もできる様になります。
この赤外VCSELを、当社の強みである「光源制御技術」と「車載用デバイス製造技術」を活かした新たな赤外線光源として世界中のお客様へご提供することで、今後更に進化する赤外センシングの実現に貢献してまいります。

*3 ADAS:Advanced Driver Assistance Systems の略称(先進運転支援システム)
*4 DMS:Driver Monitoring System の略称(ドライバーの状態監視機能)
*5 OMS:Occupant Monitoring System の略称(乗員監視機能、幼児置き去り防止機能など)
■ 製品概要
[製品外観]

[基本特性]
製品名 | UDN1Z54 |
光出力 | 2.1 W |
照射角度 | 54° × 43° |
中心発光波長 | 940 nm |
順電流 | 2.7 A |
順電圧 | 2.1 V |
パッケージサイズ | 3.5 mm × 3.5 mm |
詳細な製品情報は、コンポーネント製品WEBサイトにて随時情報を公開してまいります。
(コンポーネント製品サイト https://www.stanley-components.com/jp)
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以 上