

幅広い領域を持つ光学技術の中で、スタンレーが特に得意としているのがヘッドランプの光学技術です。安全面とコスト効果を合理的な範囲で考え、万人に向けて最も安全性の高いヘッドランプを常に提供していくことを念頭に開発しています。誰もが買える値段で、より安全性の高いものを提供し、それを普及させることができれば、世界レベルで事故発生率を下げることができます。そうした「アフォーダブル」なものを作り続けることをミッションに掲げ、安全で快適に、かつ事故をより減らすことを可能にする製品を開発できるように日々努力しています。
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独自に積み上げられてきた
配光技術のノウハウヘッドランプの配光においては、安全性が一番重要とされてきました。ただ光るのではなく、ドライバーが道路を走る上でよく見えるようにすることが重要です。対向車や歩行者に幻惑を与えないなど、安全性に関する要件はたくさんあります。それらを高めるための配光技術も、昔から社内で独自に積み上げてきました。今はCADでソフトウェアを使って配光を作っていますが、そのソフトウェアも社内で開発したものです。常に自分たちのノウハウを詰め込んだものを使い、機能性、安全性、デザイン性など、すべての項目のクオリティを高めながら、時代のニーズに先駆けて新しい製品を切り開いてきました。
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ヘッドランプの
多様なデザインの実現LEDが新たな光源として登場したことで、レンズの形状の自由度が高まり、ヘッドランプのデザインの多様性が飛躍的に広がりました。車によっては目の数を増やしたり、丸や四角のような規格にとらわれずに独創的な形状にしたりすることも可能です。車のデザインコンセプトに沿った所有する喜びが得られるスタイリングの実現に向けて日々開発を行っています。
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エコロジーや自動運転も見据えた
次世代ヘッドランプの開発配光技術に関して、スタンレーは長い歴史と自信を持っており、世界に誇れるものだと考えています。近年は、安全性や効率にエコロジーの視点も加わり、より地球環境に優しい製品の開発が求められています。
エネルギー利用効率を向上させる技術や、自動運転を見据えてヘッドランプの中にセンサーを搭載したいという要望もあります。実用化はまだ検討中ですが、その流れの中でヘッドランプそのものの小型化も求められています。小型化と多機能化、そしてCO2の排出量を削減する高効率化。この実現に向かって、これまでの技術を使ってさらに安全性を高められるように日々研究を続け、光を自由に「操る」ことをめざしています。
CORE
光学技術を駆使して開発された
画期的なヘッドランプ
- MRヘッドランプ
- スタンレーは1985年、「MR(マルチリフレクター)ヘッドランプ」という画期的な乗用車用薄型ヘッドランプを世界で初めて誕生させました。「MRヘッドランプ」とは、簡単に言えば"レンズカットのない"ヘッドランプです。リフレクター(反射鏡)はもともと集光機能でしたが、そこにレンズカットの拡散機能と配光調整機能を持たせ、前面レンズは素通しのカバーだけの機能にとどめました。これによってデザインの自由度向上や光量の増加など、多くのメリットを生み出すことに成功しました。MRヘッドランプはその後世界的に普及して、どの国のヘッドランプメーカーも、まず一番に作る製品になりました。
- ADBヘッドランプ
- ADBヘッドランプは、対向車や歩行者をセンシングで検知し、その部分を眩しくないように自動で配光を調整してくれるランプです。LEDマトリックスADBヘッドランプをスタンレーが日本で最初に製品化しました。
- プロジェクターヘッドランプ
- ADBヘッドランプ同様、プロジェクターヘッドランプを日本で最初に世に送り出したのもスタンレーです。ランプの中には丸い凸レンズが入っており、まるで魚の目玉のような形状をしています。
光学技術を確かなものにする
シミュレーション技術
独自開発のシミュレーションソフトで
変化が早い市場のニーズにも柔軟に対応
スタンレーは光の特性を生かした様々な製品を開発しており、その工程の中で光学技術を確認する手段として「光学シミュレーション技術」が随所に活きています。ヘッドランプの場合は、配光(どのような光の強度分布で道路を照らしているか)シミュレーション路面を、CGを用いて実施し、数値化して評価しています。このシミュレーションソフトも、長い開発の歴史の中で当社が独自開発したものを使用しています。
