交通安全への取り組み

光で見えないものを見えるようにすることで
夜間交通死亡事故ゼロに貢献します。

当社の灯体の歴史と社会貢献

1920年、当時全国の自動車台数が7, 8千台のころ当社は自動車用電球の販売を開始いたしました。以来、およそ100年間、夜間の交通事故ゼロを目指し、たゆまぬ努力と研究開発によって自動車灯体を進化させてまいりました。

当社の灯体製品は、白熱電球を用いたガラス反射式シールドビームから始まりました。その後、1960年代には白熱電球よりも明るく寿命が長いハロゲンランプが開発され、夜間の視認性は一段と向上いたしました。

1987年、当社は元来集光機能のみであったリフレクターに配光制御機能をもたせたマルチリフレクターヘッドランプという画期的な製品を開発しました。この製品により走行状況に合わせて配光を制御するという新たな技術への道が開かれました。

1996年、光源においてはハロゲン電球からHIDに進化し、これまでに比べて同じ電力で明るさは2倍となり、夜間でも昼間のような視界確保に一歩近づきました。

2009年、当社において長年開発を続けてきたLEDを光源とした世界初のヘッドランプが量産されました。これまでの消費電力がHIDに比べても2/3となり省エネルギー化も一層進展しました。

2014年、走行環境に合わせて配光を制御する配光可変型のヘッドランプADB
(Adaptive DrivingBeam)が開発されました。これにより、ハイビームは対向車を眩しくさせてしまい、ロービームでは歩行者を捉えきれないというジレンマも解消され、夜間の視認性は飛躍的に高まりました。

現在は、光源をレーザーにすることも検討しております。光源がレーザーになることにより、遠方視認性が向上することや、きめ細かな配光制御が可能となるために、現在、見えないものも見えるようになることでさらに安全性が高まると期待しております。

自動車灯体は自動運転の普及や電動化などにより更に進化して行くものと考えております。今後も、当社では夜間の交通事故ゼロを目指して更なる挑戦を続けてまいります。

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白熱電球を用いたオールガラスタイプのシールドビーム

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マルチリフレクターヘッドランプ

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人間工学の知見を取り入れたADBヘッドランプ

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レーザーヘッドランプ

夜間交通死亡事故ゼロ化への貢献

ヘッドランプにおけるLED化率

2016年度 23%

2017年度 39%

2018年度 44%

LEDランプにおけるADB化率

2016年度 6%

2017年度 6%

2018年度 6%

人間工学への取り組み

人間工学とは、人間の身体的特性(心理的特性や生理的特性なども含む)を研究し、人間が正確かつ安全で容易に操作できる機械・器具や作業に適するシステムを設計する学問です。機械に人間を適合させるのではなく、道具や機械、システムの特性を人間本位の特性に近づけることを基本理念としています。

スタンレーにおける人間工学では、特に視覚に関わる部分を中心に研究を行い、ヘッドランプやストップランプ等の車両灯体や屋内外の照明器具からの光により、人間がどのように感じるかを評価しています。

又、米国ミシガン大学交通研究所に研究員を派遣し、夜間の事故データ解析や、客観的な安全性を評価する実験手法についてのノウハウを吸収し、開発製品の評価に活かしています。

具体的な事例としては、LEDヘッドランプ開発における、夜間運転のし易さ、道路白線の見え方や標識色の見易さなどの実験から、最適なLED発光スペクトルを求め、製品に適用しています。他にもADB(Adaptive Driving Beam)の開発に関わり、視覚特性や人間工学的な見地から要件定義し、評価・検証を実施しています。

今後は照明のような視覚分野だけでなく、自動車のエアコンパネル製品のユーザビリティなど操作性やデザインとしての感性に関する分野にも関わり、人間の特性に基づいた、使い易い製品開発を目指します。

人間工学の観点から、これからも更なる安全性、利便性に優れた製品開発を追求し、安全で安心な社会の実現に貢献していきます。

白線と標識の見栄え検証

ハロゲン

ハロゲン

HID

HID

LED

LED