新型NSXのランプを取材してきました

皆さんこんにちは!
2016・2017RAYBRIGレースクイーンのさくちゃんこと林紗久羅です。
 
今回はホンダ様が技術の粋を集め開発・発売しました新型NSXについて、各種ランプの開発・設計に携わった担当者の方を取材するべく神奈川県秦野市にあるスタンレー電気株式会社 秦野製作所に取材に行って参りました!!

私自身こちらには、昨年チーム総監督やドライバーの皆さんとの訪問に続いて2度目の訪問となりましたが、また新たな発見や開発者様の熱い想いなどお聞きし、RAYBRIGレースクイーンとしての責任感や重みを再認識する機会となりました。
 
林紗久羅の人生初取材、是非最後まで読んでください!

Q:
初めまして。スタンレー電気のレース活動でRAYBRIGレースクイーンとして活動させて頂いております林紗久羅と申します。本日はよろしくお願い致します。
先ず初めに自己紹介とお仕事について教えてください。

A:
初めまして。牧内一哉と申します。スタンレー電気に入社して11年目になります。
ホンダ様向けのランプの開発・設計に携わっております。
昨年の9月まで米国オハイオ州のスタンレーUSに出向しておりました。
 
そこで新型NSXのランプの開発・設計をしておりました。
 
Q:
今回、牧内さんが開発・設計に携わったNSXのランプについてご紹介ください。
 
A:
ホンダ様から送り出されるNSXのために開発された
『NSX用 ジュエルアイ LEDヘッドランプ®』はすべてLED化されたハイビーム(遠くまで照らす明るいランプ)、ロービーム(眩しくないランプ)、デイタイムランニングランプ(昼間に光って存在をアピールできるランプ)、ポジションランプ(薄暗い状況でつける小さなランプ)、ターンシグナルランプ(方向を指示するランプ)を世界最小クラスの縦幅に搭載したランプです。
このランプの特長はポジションランプとターンシグナルランプという異なる発光色の発光面を共通化しただけでなく、均一発光を実現しています。

これを採用していただくためにアメリカ(NHTSA)とカナダ(TransportCanada)の運輸省に点灯仕様の法規適合性を問い合わせ、その一方で異色同一発光を達成するためLEDの超近接実装技術などの技術面をも検証することで実現することができました。

Q:
均一発光や超近接実装技術を分かりやすく説明するとどういったものでしょうか?

A:
均一発光というのは発光部が滑らかでムラのない綺麗で均一な発光のことを言います。
LED自体は点光源のため、粒々した感じや光にムラが出やすいためそれを究極まで均一にしたということです。
また超近接実装技術はポジションランプの白色とターンシグナルランプの橙色の2色を同じ発光面
(発光部分)から発光させるために用いられた技術のことです。
白色と橙色の別々の光源を極限まで近くに配置して、光源の位置のズレを感じないよう同じ光学系で発光させられるようにします。
技術面で一番難しかったのがこの超近接実装技術ですね。

Q:
なるほど!分かりやすく説明してくださり理解できました!
他にも今回の開発で採用されている技術などありますか?

A:
そうですね、その他の技術としてはLED放熱用ヒートシンクにアルミ合金ではなくマグネシウム合金をスタンレー電気として初めて採用し、従来構造比35%減の軽量化を達成しています。
白色のLEDはとても熱くなりやすいため、その熱を放熱するためのヒートシンクがあるのですが、その素材を軽くすることに成功しました。
 
Q:
牧内さんはジュエルアイLEDヘッドランプ®️だけでなくNSXのランプ全ての開発に携わられていますが、以前のNSXのランプと比べてどんなところが変わりましたか?


 
 
 
 
【写真】
1995年のルマン24時間耐久レースに参戦(GT2クラス優勝)したチームクニミツの初代NSXリトラクタブルヘッドランプ

A:
初代NSXは1990年に発売された車両ですので、構造、性能、とにかく全てが改良されパワーアップしました。また、お客様のご要望にしっかりと応えるために何度も試作品を作り、長い時間テストと評価を繰り返して来たので初代のランプとは何もかもが異なります。生まれ変わりましたね。

Q:
ホンダ様からはどのようなご要望があったのでしょうか?

A:
デザイン性、スポーツカーならではのシャープさ、スポーティーさ、高級感といった外観のご要望です。
また、先程お話しした異なる発光色の発光部分を共通化し、ホンダ様に納得して頂ける均一発光を目指しました。

Q:
そういったご要望などを取り込んで開発されたジュエルアイLEDヘッドランプ®の完成にはどれくらいの時間がかかっているのでしょうか?
 
A:
詳しくはお答え出来ませんが、開発期間に数年、そして量産までの熟成期間に数年というとても長い時間がかかっています。
 
Q:
この開発を通して嬉しかったことや、やり甲斐を感じたことはありますか?

A:
アメリカのオハイオ州にNSXを開発・製造するために建てられたホンダ様の専用工場『PMC(パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター)』があるのですがそこのシンボルマーク(ロゴ)が、リアコンビネーションランプとリアパネルランプのデザインなのです。
ランプがシンボルマークになるくらい、ランプ関連の注目度や重要度が高く、新型NSXのCMでは特にそういった私たちが手掛けたランプ関連シーンが多く反映されていて嬉しかったです。

開発にはかなりのプレッシャーもありましたが、こうして映像を見たときに努力が報われた気がしましたし、とてもやり甲斐を感じることができました。

Q:
そのNSXを開発されるために建てられたPMCの工場について教えてください。
 
A:
新型NSXの生産拠点としてオハイオ州メアリズビルに設立された「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」は、熟練の職人技を持つ技術者と革新的な先進生産技術者が集められたNSXのためだけのスペシャリストが集まった工場です。

PMCは、新型NSXのようなスーパースポーツモデルの少量生産に最適な生産設備を備えており、およそ100名の従業員が各工程で先進のロボット技術と協調しながら、最高レベルの品質と高いクラフトマンシップを実現しています。
また高度な生産技術を多数有しており、現在12件の特許を米国で申請しています。
PMCは、ホンダ様にとってオハイオ州で3番目の四輪車生産工場であるとともに、新型NSXの開発を行ったホンダR&Dアメリカズのオハイオセンターからほど近い、メアリズビル四輪車工場に隣接する場所に立地しています。
またお客様は自分が購入したNSXが作られる工程を実際に工場で見学することができます。
この見学の時に被るヘルメットにもランプのロゴが入ってるんですよ。
自分のNSXが出来上がるまでの工程を見られるパフォーマンス、サービスによってホンダ様の高い技術力を知って頂いたり、購入されたお客様に心からNSXを楽しんで頂くためなのだと思います。

Q:
PMCの高い技術力で生み出されたNSXに長い時間をかけてやっと完成したジュエルアイLEDヘッドランプ®などが搭載され、お客様の元に届きますがお客様にはどのような事を感じてNSXに乗って欲しいですか?
 
A:
NSXを購入されたお客様には『やっぱりNSXのライトは違う、特別だな!!』と優越感に浸って欲しいです。
また、NSXに乗ってない方でも街中で走行しているNSXのライトの光だけで『あ!NSXだ!』と分かってもらえたら嬉しいです。
そのくらいこのNSXのために開発されたヘッドランプやリアコンビネーションランプにはコンマ1ミリに意志が入っているし、惜しみない時間と知恵と努力をかけた最高に特別なランプなんです。

Q:
コンマ1ミリに意志ですか!とても印象に残るひと言です。
さすがホンダ様のフラッグシップモデル、NSXのランプすべてを手掛けるスタンレー電気のパワーを感じます!
 
ところで話しは変わりますが、今後の牧内さんの野望はなんですか?(笑)

A:
これからは開発ではなく、後輩たちの育成や体制作りなどのマネジメントに力を入れていきたいです。
今まで自分が開発するにあたって経験してきた失敗や成功などのノウハウを踏まえ、後輩たちにどのように物を作っていくかをしっかりと伝えていきたいです。

Q:
最後に牧内さんから見たスタンレー電気の強みを教えてください。
 
A:
ここ一番の底力だと思います。様々な要求や要望がある中で、何一つ妥協せず必ず応えていく会社ですね。
困難な要望があったとしてもすぐにそれぞれの分野に長けた人たちが集まり、その問題に取り組んでいく臨機応変さ、集結力があり、それは長年様々な仕事を一緒にしてきた仲間達との信頼性の上で成り立つことなんだと思います。「やらない」という答えがないのがスタンレー電気の強みなんだと思います。そしてそれが物づくりへの一番大切な姿勢です。

以上、新型NSXのランプ開発・設計に携わった牧内さんからの貴重なお話でした!

色々と難しい言葉や用語が出てきて戸惑った所もありましたが、私目線で理解できるよう丁寧な説明をして下さる牧内さんに感謝です。
 
みなさん、ところで量産車とスーパーGTに参戦しているNSX-GTのヘッドランプの違いにお気づきでしょうか?
市販車両は6連のランプですが、スーパーGT参戦車両は5連のランプとなっております。
これはデザイン上6連では入らないことや、軽さを求められていることなどによります。
設計思想が異なるレーシングカーであっても、一目でNSXとわかるアイデンティティをホンダ様から求められたそうです!

そしていよいよ、そんなNSXに初乗車するのですが、その前に新型NSXについての知識を少し。
新型NSXは初代モデルが提案した、卓越した運動性能を持ちながら誰もが快適に操ることができる「人間中心のスーパースポーツ」というコンセプトを継承しています。
さらに、時代に合わせて進化したホンダ様独自の先進的な電動化技術との融合により、再び新時代のスーパースポーツ体験(New Sports eXperience)を提供することを目指して開発されたそうです。
理想の運動性能を求め、モーターの駆動力を加速や旋回性能にも活かす独自技術の研究を長きにわたり続けられていて、今回その最新技術である「SPORT HYBRID SH-AWD®(Super Handling-All Wheel Drive)」を採用することで、エンジンだけでは達成することが難しい高いレベルのレスポンスとハンドリング性能による、新たな走りの喜びを追求しています。

誰もが快適に操ることが出来る人間中心のスーパースポーツにSPORT HYBRID SH-AWD®の技術が加わり新たな走りの喜びを追求された新型NSX!!
普段あまり車に乗らない、更にはスポーツカー初体験の私でも快適に簡単にNSXを操れるのでしょうか……??

いざ!乗車です!! 車体の低い車に勢いよく乗り込むとそこはもう別世界!!
一言で言うと近未来を感じる内装が非日常感を演出しています!
私のホンダ様のイメージは王道で硬派で正統派なイメージなんですが、この新型NSXの内装は遊び心に溢れていて冒険心を感じました。
スマートで無駄を排除した液晶パネルもシンプルでカッコ良いですね。
素人な発言ですがシートに座っててお尻が滑らないのが印象的でした。
だから長時間乗ってても疲れないんじゃないかなって思いました。
あとですね、乗り込んですごく驚いたのは地面との距離がものすごく近いことです。
レーサーになった気分で走れそうですね!
また操作全般がボタンによって簡単に出来るので、スマートフォン世代の私にはとても容易に操作することができました。
スタートボタンを押すとエンジンを簡単にかけることが出来、そのエンジン音は車内を満遍なく充満させるように響き、NSXが目を覚ましたような感覚が体に伝わってきました。
唸るようなエンジン音ではなく品のある知的な音です!これは実際に皆さんに聴いて体感して欲しいですね。

パーキングからドライブにボタンを切り替えいざ走行!
アクセルの反応が良く、変な急発進や加速は無く安心して踏むことが出来ました!
ドライバーに忠実なアクセルで、その人のペースにしっかり答えてくれる踏み心地です。
逆にブレーキの反応がとても良く、軽く踏んでもスピードをしっかり制御してくれます。
どちらもそんなに力を入れなくてもしっかり反応、しっかりフォローしてくれるので女性の私でも快適に運転することが出来ます。
ステアリングも軽やかで、でもクルクル回りすぎることもなく、手にしっかりフィットするハンドルです。ハンドルをきっても少しずつ方向転換してくれる所も有難いです。
運転に慣れていない私でも快適に安心して走れるNSXの見た目のギャップには驚きました。
スポーツカーなのになんて優しい車なんだ〜と感動すら覚えます。
これこそ、誰もが快適に操ることができる「人間中心のスーパースポーツ」のコンセプトそのものなのでしょうね!

加速する際は運転を代わって頂き隣に座ってその速度を体感したんですが、一言で言うとそのまま離陸して飛んで行ってしまいそうな飛行機に乗っているような感覚でした。
音もあまり無く、車体の揺れもまったく無く、加速が増すと体が走ってる感覚を超えて飛んでいくような感じがしました。これは新感覚です。
今時のスピードってこんなに進化しているんですね!
乗っているとどこまでもどこまでも突き抜けて走っていけそうな高揚感を感じます。すごく楽しかったです!

このスピード感はNSXの見た目に相応しく、先ほどまで私が運転していたNSXとはまったくの別物でした。
日常の走行からサーキットでのスポーツ走行まで対応できて、乗る人によってこんなに大きく振り幅の変わるNSXはまさにどんな人にでもフィットし、快適に走りを追求できる理想の車だと思いました。
 
たくさんの人々の知恵が集結され、長い時間をかけて開発・製造されたNSXはまさに努力の賜物!
そして車業界の先駆者です!そんな素晴らしいNSXに乗って走行出来たことは私の人生の宝物です!!

今回新型NSXの取材でご協力頂いたホンダ様、そして取材で訪れたスタンレー電気 秦野製作所の皆様、色々と貴重なお話を聞かせてくださった牧内さんに感謝致します。
1台の車をゼロから作り上げる事が如何に大変なのか、そしてそこに関わってきた方々の想いを知る事ができ、私自身も特別な想いでNSXに乗車させて頂きました。
この取材を通して知る知識も多く、今シーズンのスーパーGTもより一層楽しみになりました!

以上、さくちゃんの人生初取材でした!
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
 
スーパーGTの100号車、チームクニミツのRAYBRIG NSXーGTとスタンレー電気、そして林紗久羅をこれからも応援よろしくお願い致します(*´꒳`*)

林紗久羅