東京理科大学総合研究機構光触媒国際研究センターの植物工場

昨年はオートサロンから始まりこちらのE-COMPONENTS TOPICSの取材では、
初・国外のタイはじめ国内では三ツ島や多くの場所へ取材させて頂きました。

今年も昨年以上に皆様にスタンレー電気の製品・採用事例をより身近に、
そして楽しくご紹介していきたいと思っております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2014年第一回目の更新、今回の取材先は…

千葉県野田市にある東京理科大学総合研究機構光触媒国際研究センターです。

今年もお決まりの鉄道とのショットも忘れずに。

秋葉原駅からつくばエクスプレスで流山おおたかの森駅で乗換え、
東武野田線運河駅にて下車するとすぐ目の前に東京理科大野田キャンパスの校舎が見えます。

光触媒国際研究センターは昨年の4月に、光触媒及びその関連分野の今までの実績を基に
産官学の協同による実証研究によって光触媒を総合システムとして開発、
さらなる光触媒研究の発展と実用的な環境浄化・エネルギーに関わる
総合システムの構築を目指すとともに光触媒によるグリーン・イノベーションを担う
優秀な人材を育成する拠点として設置されました。

今回は理工学部四年生の真田拓生さんにキャンパス内と光触媒国際研究センターを
案内していただきながらお話を伺いました。

光触媒国際研究センターの中にある植物工場にスタンレーのLEDが取り入れられています。

そもそも光触媒とは何なのかというと…
光を吸収することにより触媒作用を示す物質の総称です。

1966年に現在の東京理科大学の学長、藤嶋昭氏が発見された酸化チタン(TiO2)が代表的です。

触媒はそれ自身は変化することはなく化学反応を促進する物質で
光触媒は光が当たると効果を発揮する物質のことです。

植物の光合成も光触媒の反応によく似ています。

緑色植物は二酸化炭素と水と光から炭水化物(デンプン)と酸素を作る
光合成をしているのは皆さんご存知かと思いますが、
そこで重要な働きをしている光触媒の役目をするのが葉緑素(クロロフィル)なのです。
人間はこの葉緑素が作ったデンプンを摂取して放出した酸素を呼吸して生活しています。
この光触媒の働きなしには生物は生きることができません。

最も今注目を集めている触媒材料が、先ほどの酸化チタンという物質です。
なぜ注目されているかというと私たちの生活にも役立つ特性があるからです。

一つは「酸化分解力」。
これは紫外線を照射すると触媒反応によって空気中の酸素と水分から活性酸素を生成し、
その酸化力により有害な化学物質や環境ホルモン・ウイルスなどの有機物を分解、
無害化することができます。
汚れの分解、消臭・脱臭、抗菌、殺菌などの働きがありウイルスやがん細胞に対しても
効果を発揮できるのでがん治療などの医学的な応用にも期待をされているそうです。

もう一つの特性は「超親水性」。
こちらは酸化チタンをコーティングした材料に光を当てると水は水滴にならずに膜として広がります。
そのため汚れなどが付着してもその下に水が染み込んで汚れを浮かせ水と一緒に洗い流すことができます。
自動車関連ではサイドミラーの曇り止めやボディーの防汚コーティングにも利用されています。
思っていた以上に光触媒は私たちの身近な場所に在ることがわかります。

スタンレーのLEDが採用されている研究センター内の植物工場では、
環境浄化グループの研究テーマの一つでもある循環する養液を
光触媒によって浄化する研究がなされています。

2011年3月の東日本大震災で農業ができなくなってしまった
福島でもそれを応用して農業ができるように、
また光触媒による水処理技術を使ってより有用な漢方薬を作るための
薬草の栽培にも取り組まれているそうです。

スタンレーのLEDはその植物工場に取り入れられる太陽光が足りないときに
補光として使用されています。

ゆくゆくはLEDの光のみで光合成反応が起こせるようにされたいとのことです。

工場内ではバジルとクレソンが栽培されていました。

栽培室はきれいな環境で洗わず食べてもOKとのことだったので試食させて頂きました。

バジルは香りもよくスーパーなどで売られているものよりも甘味が強いように感じました。

 

クレソンはピリッとした辛味がありお肉料理によく合いそうです。

植物工場は養液栽培技術を利用して農地ではなく建物内で野菜や植物を生産します。
その養液が老廃物などで汚れた際に光触媒によって浄化し
リサイクルすることができれば水資源の有効活用につながるということで、
その実現に向けた研究が行われています。

今回の植物工場で使用しているスタンレーのLEDは屋外用ユニットLLM031。

こちらが20個×2列、全部で40個使用されています。

先程も少しお話しましたが天井や窓から太陽光を取り込むことができるようになっていますが、
太陽光の少ない雨や曇りの日や冬などに不足する光を人工光で補う役目を担っています。

植物工場に用いられるLEDは青色or赤色というイメージがありますが、
赤色と青色の光だけを使用すると光は濃いピンク色に見え、
目がチカチカしてしまったり長時間人がいるような環境には適しません。
なのでこのような白色を基本とした光のLEDを使用し人の目にやさしく、
太陽光に近い色が再現されています。

この白色には植物の好む青色も含まれています。
LEDを使用することで熱の影響が少なくを痛めることもありません。
また配光レンズを組み込んだユニットを使うことで照明器具の配置や配光もフレギシブルにできます。

またいつもとは違う光のカタチ、植物の育成という分野の使い方を実際にみて
さらなる光の可能性を体感することができました。

もう一つこの植物工場のある階の下の階にLEDの光のみを採用した植物工場があり
そちらでは残念ながらスタンレーの製品は採用されていなかったのですが、
見せて頂くとライン照明が取り入れられていました。

ライン照明なので少し光のムラがあるように感じました。

ぜひ今後CEATECでも展示されていたスタンレーのLED面光源パネルが採用されることを願います。

光触媒の中心地として今後も世界中にこの国際研究センターから情報が発信されるよう、
その発展とその環境づくりに少しでもスタンレーの製品が貢献できるのであれば
それはとても喜ばしいことです。

さらなるスタンレーの光の未来を切り開くことにもつながるでしょう。

お昼ご飯は薬学部の校舎内にある食堂で真田さんと一緒に頂きました。

大学とは思えない自然豊かでなおかつ近代的なデザインの校舎、

素晴らしい環境が整っています。

キャンパス内には食堂が4ヶ所ありコンビニや理容室もあるそうです。
食堂のメニューも豊富で毎日のランチタイムが楽しみだった大学時代がとても懐かしくなりました。

最後に真田さんに今までやりがいを感じたことを聞いてみると…

こうなってほしいと願ったことに結果が出た時とおっしゃっていました。

研究、モノづくりはすぐに結果が伴うことではありません。

長い長い年月をかけてかもしれないし、
もしかするとふと閃いた発想が一瞬にして実現されることもあるかもしれません。

どちらにしろ高い目標に向かって挑むその諦めずに前向きに
クリアしていこうとする姿勢とモチベーションの高さをうかがうことができました。

スタンレーの光と光触媒が切り開く未来に今後も期待します。

真田さんはじめ東京理科大学の皆様有難うございました。

森 由梨香